「五等分の花嫁」の五つ子みんな大好きだけど、最推しは中野五月ちゃん。どうも黒兎です。

今回は先日pixivにて投稿させていただいた「連鎖する夢幻の闇」に関しての後書きとなります。タイトル通りネタバレオンパレードになりますので、まだ読んでない方は極力読まない方が良いんじゃないかと思いますが、自己責任でどうぞ。























今作は以前書いた「絶望、華開く時」の続編として位置する作品です。前回は敗北者としての五月にこれでもかと絶望を押し付けていきましたが、今回はその対極に位置する勝利者の一花に絶望を押し付けたく、この作品を書くに至りました。今書いてて気付きましたが、五月に最高に嫌がらせをするためのキャスティングだったのに、番号的に両極端で構成されてるの素晴らしいくらいに綺麗ですね。

そんなことはさておき、今作は“勝利者”である一花に絶望を押し付けるというわけで、花嫁二次創作界隈における重たい作品の最早テンプレの一つと言っても差し支えないであろう「失恋」は必然的に封印されました。五月の方でもう使ってましたし、何より失恋を使ってしまえば勝利者ではなくなりますからね。原作では五つ子のヒロインが主人公を取り合う構図を段々見せ始めるラブコメなのに、失恋とかいうテーマに沿っていてなお分かりやすい絶望が使えないというのはある種の縛りでした。

勝利者が勝利者のままに絶望する方法って何だ……? と考えた時に思い付いたのが、敗北者たちの想いをその背中一つで背負わせ、その重圧で押し潰すという内容でした。原作9巻にて三玖に成りすまして風太郎に「一花、フータローのこと好きだよ」と言ったシーンの後、「自分のしたことに後悔しちゃダメ」って自分に言い聞かせていたし、そんな子が一人分ならまだしも、四人分の想いなんて背負い切れないだろうという根拠で選んだ判断でした。

ただ、これを書くにあたっての一番の懸念材料は毎週更新される電子版の原作の存在でした。今作は一花は一花でも闇一花で勝ち切った果てにあるからこそ、最大限に魅力を出せるシナリオであった以上、公式回答でそれ違うとお告げを貰うと非常に脆かったんです。
ここまで読んで「…………いや、どうせ五月死んでるし、今更原作云々言う必要ある? if世界線でしょ?」と思う方もいると思うます。そうです、直接的には何にも関係ないのですが、私的には完全にアウトなんです。公式回答=大正義なので、公式が「てへっ、少し光にしちゃったっ」なんて言おうものなら、私の中での一花像が揺らいでしまう。揺らいでしまえば、やりたかったことを完全には出来なくなってしまうんです。

こと、この兎。そういう公式回答に弱々な側面を孕んでいた結果、今作に関しては珍しく電子版勢ではなく、単行本勢で良かったなと思います。ブレずに進めれましたから。…………まぁ、でも、この筆を執っている日から見て最新話は何やら一花で騒がしかった反応はケアしていてもチラチラと見えてしまったし、その上感想で若干ネタバレくらってしまって、闇一花が少しばかり浄化されるのはもう知ってしまったんですよね。ぶっちゃけ、察してたさ……闇のままでいて欲しいけど、そんなわけないって。やっぱりこの作品を読むにあたって、単行本勢は情報アド的な意味で圧倒的に不利なので、私みたいに捻くれていたり、何かしらない限りは電子版勢の方が良いですよと助言しておきます。

何かいつのまにか単行本勢でどうのこうのの話になってしまったので今作の話に路線を戻します。
先述の通り、一花を絶望させる方法にまでは行き着きました。ただ、ここからどうやって導線を繋いで絶望させるかってのを考えた時に、閃いたのは夢の中で想いを背負わせるラスト2ページのあの展開でございます。
当初はあそこに出るキャラはみんな本人にする予定だったんですが、夢でそれはないし、一花は女優だからさ……演じれるかなって思って組んで見たら当初よりも鋭いものが完成して驚きましたね。五つ子だと思ったら、結局自身の写し鏡に追い詰められていた───と、いかにも一花だから出来た絶望に仕上がったんじゃないかなと思います。
今思えば、最初のページで風太郎が一花を気にかけたシーン以外、「」の台詞は全部一花なんですよね。全部CV:花澤香菜さんなんですよ(なにそれ天国じゃん

全体的に見て、個人的には凄い満足出来た作品でした。感想も色々頂いて、全部目を通させていただきました。褒められて伸びる兎なので感想は全部嬉しいです、もっとください(強欲)。これは私が注意喚起不足だったのもあるのですが、出来れば感想でのネタバレはやめてくださいね、今回に関しては私が悪かったので咎める権利はないんですけども。



ここから少し、個人的な願望込みのお話をさせてください。興味のある方だけ読んでいただければ幸いです。





「五等分の花嫁」の原作がそもそもラブコメで、二次創作的には純愛系統がどうしても環境になってしまうんですよ。俗に言う環境トップのTier1。公式がそうだし、みんなの「推しが花嫁になってほしい!」って願望も詰めれるしで。
でもさ、こういう絶望色濃い目のがあっても良いじゃないですか? 甘いのの間にこういう辛いのあっても良くない? だから、Tier1とは言わないけどもせめてTier2……環境に歯牙を掛けれるくらいに花嫁で絶望の話をみんなにも書いてほしいなって貰いました。考えるだけならタダだし、原作に直接干渉出来るわけじゃないし、何より私が読みたいです(本音)